別府チェンバロ教室

美的感覚と豊かな感性、論理的思考力を養う

ロバート・ヒルのバッハを中心としたチェンバロ・ソロ

チェンバロ奏者でフォルテピアノ奏者のロバート・ヒルは1853年生まれのアメリカ人チェンバロ奏者です。1990年よりドイツのフライブルグ音楽大学で歴史的鍵盤楽器および室内楽演奏の教授。

アムステルダム音楽院でグスタフ・レオンハルトにチェンバロを学び、1974年にソリスト・ディプロマを取得。1987年にハーバード大学でバッハについての論文で博士号を修得。様々なコンクールで受賞(Erwin Bodky Award (1982), a NEA Solo Recitalist Award (1983), and the Noah Greenberg Award (1988), Preis der deutschen Schallplattenkritik (2001),[5] Cannes Classical Award (1999), Diapason d'Or (2008))。

コラボレーションした音楽家および室内楽オーケストラ(Reinhard Goebel,Gottfried von der Goltz, Dmitry Sitkovetsky, Christian Tetzlaff, Kim Kashkashian, Helmut Müller-Brühl, Nicholas McGegan, Thomas Zehetmair; Freiburg Baroque Orchestra, Cologne Chamber Orchestra, Northern Sinfonia等。)

ヒルの特徴は、アゴーギクを自在に操り、バッハの音楽をチェンバロで立体的に描くところです。ディナミクによる強弱があまりつけられないチェンバロ演奏にとっては、「強弱は横方向」と言われる通り、アゴーギクは演奏には欠かせない要素ではありますが、誰の耳にも適度に聞こえるアゴーギクの実現は非常に高度な技といえます。

ヒルはその点において他の追随を許さない完成度を誇っています。

 

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彼のフォルテピアノ演奏においては、強弱と音色を自在に変化させたバッハで、チェンバロとテクニック的に異なるものの、類似する演奏効果を上げています。

 

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しかし、ここまで繊細で研ぎ澄まされた感性とテクニックですと、チェンバロのほうがいいなとおもわせますね。ピアノでは楽器的に出来る範囲が広すぎて、ロマンチックになりすぎるかなと。

皆様はどちらがお好みでしょうか。

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